フォントのデータ形式のこと

普段PCで何げなく使っているデジタルフォント。そのデータ形式には種類があるのをご存知でしょうか? 現在主流のデータ形式、TrueTypeフォントOpenTypeフォントについて、特徴や違いをまとめました。

どちらもアウトラインフォント

まず、普段私たちが使っているデジタルフォントの多くがアウトラインフォントというカテゴリに属します。TrueTypeフォントとOpenTypeフォントも、このアウトラインフォントの一種です。アウトラインフォントはその名の通り、文字の形の輪郭線(=アウトライン)データでできたフォントです。

また、拡大・縮小が自在なため、アウトラインフォント自体も「スケーラブルフォント」というカテゴリに属しています。つまり、カテゴリの階層は、スケーラブルフォント > アウトラインフォント > TrueTypeフォント & OpenTypeフォントという具合です。

フォントのカテゴリのイメージ

では、これら以外のカテゴリはというと、例えば「ビットマップフォント」があります。これは文字の形がビットマップ形式でできているフォントです。四角いブロックの集合体なので、サイズを変更するにはそのサイズごとに別々のフォントデータが必要になります。アウトラインフォントはベクターデータ、ビットマップフォントはラスターデータ、というわけです。

アウトラインフォント(左)とビットマップフォント(右)

現在デジタルフォントとして主流なのが、アウトラインフォントであるTrueTypeフォントとOpenTypeフォント。それでは、この2種類の違いを見ていきます。

TrueTypeフォント

TrueTypeは1990年にAppleが開発し、後にMicrosoftに技術供与したフォントの規格です。この規格に基づいてつくられたフォントをTrueTypeフォントと呼びます。当時Adobeが開発・発表していた別のフォント規格、PostScriptフォントに対抗するために開発されたそうです。AppleとMicrosoftが共同で開発していっただけあり、MacとWindowsに標準で搭載されています。

拡張子

ファイルの拡張子は .ttf.ttc です。.ttc は True Type Collection の略で、単体のTrueTypeフォント(.ttf)を複数まとめて1ファイルにしたものです。

安定した利用ができて、安価

TrueTypeフォントは20年以上に渡って利用されてきた歴史があるため、比較的どのような環境でも使用できることがメリットです。ただし、後述のOpenTypeフォントと比べると収録できる文字の数は少なくなっています。そのためか、販売されている金額はOpenTypeフォントに比べて安価です。ネット上からダウンロードできるフリーフォントにも、TrueTypeフォントが多く見られます。

OpenTypeフォント

OpenTypeは、先述のTrueTypeとAdobe開発のPostScriptを統合し、発展させたものです。MicrosoftとAdobeが共同で開発し、1997年に発表しました。現在の最新フォントはOpenTypeで開発されています。DTPなどプロの制作現場ではこちらが主流です。また、クロスプラットフォームなので、Windows・Mac問わずどちらでも同じフォントデータを使用できます。

拡張子

拡張子は .otf.ttf です。PostScriptベースで作成されたものは .oft に、TrueTypeベースで作成されたものは .ttf になります。そのため、拡張子だけではTrueTypeフォントと見分けがつかない場合があり、ちょっと紛らわしいです…。
TrueTypeと同じく、複数ファイルを1つにまとめたフォントコレクション、.otc や .ttc も存在します。

収録字数が多く、高機能

TrueTypeフォントの発展形だけあり、OpenTypeは多方面で高機能です。収録できる字形数がTrueTypeフォントよりもかなり多く、フォントによっては漢字の異字体なども豊富に収録されています。
さらに、複数の文字を自動で1つにまとめる合字(リガチャ)機能や、隣り合う文字によって文字詰めを調整するペアカーニングなど、文字組に関する高度な機能がフォント自体に備わっています。その分、TrueTypeフォントに比べて購入する場合の価格は高価です。

合字(リガチャ)機能のイメージ

当サイトのアイコンフォント

ちなみに、当サイトでご提供しているアイコンフォントはOpenTypeで作成しています。Windows、Mac問わずにご利用いただけるので、ぜひ、ちょっとした装飾などにご活用ください。

以上、フォントのデータ形式、TrueTypeフォントとOpenTypeフォントの解説でした。